その前身バンドだった
ジャイルズ、ジャイルズ&フリップ

68年、ジャイルズ兄弟にローバート・フリップが加わり僅か4日間で製作されました。
イギリス国内でも1000枚も売れなかったといいます。
キング・クリムゾンの成功がなければ、こうして陽の目をみることはなかったはず。
しかも内容は、ほんわかしたコミカルな楽曲でここからどうして
あの歴史的な名盤「クリムゾン・キングの宮殿」につながるのか想像すらできません。
(ジャケットのフリップの笑顔も今では考えられません・・笑)
でもやはり謎ときの鍵はありました。
セールス不振で契約を打ち切られたGG&Fは仕方なく自主制作を開始、
それに加わったのがイアン・マクドナルドと友人ピート・シンフィールドだったのです。
マクドナルドは彼女まで参加させています(笑)
そこに録音されていた曲があの「風に語りて」です。
だいぶクリムゾンに近づいてきましたね。
「宮殿」ではグレック・レイクが歌い、プログレの名曲とされています。
ロバート・フリップの独裁とされてきたキング・クリムゾンですが
「宮殿」はどちらかというとイアン・マクドナルド主導といった感じですね。
そんなイアン・マクドナルドでしたが、ジャイルズと早くも脱退。
70年に「マクドナルド・アンド・ジャイルズ」を発表します。

お互い彼女同伴のなんとも嫌味なジャケット(笑)。
レコード会社からも期待されかなりの予算がでたというが、
セールス的には失敗一度もライヴやることなく消滅しました。
しかし音楽性は高く、ジャジィな曲展開や叙情的なメロディーと
前期キング・クリムゾンが好きならば必ず満足できる内容です。
あのスティーヴ・ウィンウッドもゲストで好演してます。
その後ジャイルズはようようなセッション活動へ、
(あの山口百恵のロンドン録音の作品にも参加しています。)
そしてイアン・マクドナルドはいろいろなグループのプロデュース業に活躍。
77年にはアメリカとイギリスの混合バンドフォリナーの「栄光の旅立ち 」で
第一線に戻ってきました。
2000年以降はスティーヴ・ハケットと来日コンサートをしたり、
ソロ・アルバムを発表したりと忙しく活躍しました。
最近では元キング・クリムゾンの仲間と共に21st Century Schizoid Bandを結成させ
往年のクリムゾンの曲やプログレの古典的な曲をライヴで演奏してくれたことは記憶に新しいですね。
それでは最後にマクドナルド&ジャイルズで「アイビスの飛行」をどうぞ!
ジャイルズのドラミングって本当に独特な叩き方ですね。
ちょっとセンチな曲調も魅力的です。

ボズ・バレルに捧げる
キング・クリムゾンを持って「宇津ノ谷峠」に行く!
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実はマクドナルド&ジャイルズって初めて聴いたんですが、この曲はビートルズ的でもありますね。
知らずに聴いたらビートルズの未発表曲を発掘か?なんて思うかもしれません(笑)
ようこそ入らしてくれました(笑)。
「宮殿」と比べてしまうと非常にライトな印象を受けます。
あの「宮殿」はまさに、あの時あのタイミングで若き才能が奇跡的に集約され
完成させた名盤ですね。
「マクドナルド&ジャイルズ」はクリムゾン関係のレコードで一番好きかも知れません。宮殿よりも多く聴いたと思います。
イアン・マクドナルドがクリムゾン関係者で一番好きかも知れません。
彼がクリムゾンを脱退するとき、フリップが引きとめようとした説得に対して「クリムゾンはあなたのバンドだ」という言葉を残したのが印象に残っています。
自分も今では「宮殿」よりマクドナルド&ジャイルズの方が聴けます。
宮殿は刺激的でしたが、歳取ったのか今は少々疲れます(笑)。
そうですねフリップは自分がクリムゾンを脱退するとまでマクドナルドに言ったみたいですね。
まあこういう事件があってから、その後のフリップは情を捨て鬼になったのかも?